芸術新潮 生誕100年記念特集　わたしたちには　安部公房が必要だ 生誕100年記念特集　わたしたちには　安部公房が必要だ 箱根の仕事場での安部公房。たくさんのコ-ドが槃がれたテ-プル端の物体はシンセサイこれは、自ら幾つもの劇伴を作るのにサ一。使った大事な仕事道具だが「モノ・マガジンの愛読者だったという作家の部屋だけに、よく見ると、用の美”ならぬ“無用のおかしみ"を漂わせる奇妙なオプジエもちらほら。1986年10月。 未来は、現在からする価値判断をこえ、へ断絶の向うに、「もの」のように現われる✓たろう—日本最初の本格的S F小説とされる「第四間氷期」のぁとがきで、作家はそう述ベています。20世紀の混沌を縦横無尽に漕ぎ渡り、人間と社会をめぐつて、深い洞察の言葉をつむぎ続けた安部公房。その作品世界は、悪夢のようでありながら笑いに満ち、そう、わたしたちには安部公房が必要なのです。